この記事はこんな人におすすめ
- 時短勤務のため責任のある仕事を任されなくなった
- 子育て中でもキャリアをあきらめたくない
- マミートラックに乗せられてしまった
最近、ワーママのキャリアについて考えさせられる本を読みました。
この本はワーママを部下にもつ上司に向けて書かれた本です。
しかしワーママがキャリアを考える上でヒントになるようなことが書かれていました。
アンケートや統計データがたくさん紹介されており、ワーママ、上司お互いの理解が進む内容になっています。
この本を通じて、キャリアを考えるワーママが上司に対して、どのように働きかければいいかがわかります。
ワーママ目線からこの本の感想を書いていきます。
『フルキャリマネジメント』を読もうと思った理由
わたしもワーママなのですが、子育て中は時間に制約があり思うように働くことができません。
そんなワーママをどうやって管理職がマネジメントするべきなのか、単純に興味がありました。
わたしの勤める会社ではワーママが増えています。
今の部署では女性社員の約半数が保育園児を持つママ。
ワーママは毎日、
- 責任のある仕事を任せてもらえない
- 仕事がつまらなくなった
- 時間内に仕事がおわらない
など、モヤモヤを抱えながら仕事をしています。
わたし自身、子育てしながらのキャリア形成をどのように考えるべきなのか知りたいと思いました。
『フルキャリマネジメント』本の概要
著者
本書の著者は武田佳奈さん。
- 新卒で(株)野村総合研究所に入社
- 入社4年目で結婚し、翌年第1子を授かる
- 約1年の育休を取得し、時短勤務で職場復帰
- 2年後に第2子を授かり、約1年の育休を経て時短勤務で復帰
- 現在は民間企業の事業戦略策定支援、新規事業創造支援などの業務に従事
著者もおなじワーママです
著者はキャリア形成に重要な入社5〜10年目の時期に2度の出産と育休取得、時短勤務が重なりました。
仕事は好きなのに、「キャリアアップは子育てが少し落ち着いてから」と考えていたそうです。
しかし後になってキャリアを意識した行動を積み重ねることの重要性に気づきます。
ですが男性上司はワーママの扱いに慣れていません。
責任のない仕事を任せるなどのよけいな配慮をしてしまい、さらにワーママのキャリア形成が遠のいてしまう。
そんな問題を解決するために執筆したそうです。
本の目次
第1章 女性の部下の育成に自信が持てない管理職
第2章 なぜ、女性の部下のマネジメントが難しいのか
第3章 フルキャリは何を望んでいるのか
第4章 フルキャリの活躍を引き出すマネジメント
第5章 「ワークライフバランス」から「ワークライフ&グロースバランス」へ
第6章 フルキャリのパフォーマンス最大化のために企業がすべきこと
フルキャリとは
本書では、仕事もプライベートも可能な限りがんばり、充実させたいと考える女性を「フルキャリ」と定義しています。
「フルキャリ」は、キャリア重視の「バリキャリ」とプライベート優先の「ゆるキャリ」の中間です。
ワーママ5454人を対象にしたアンケートによると、「フルキャリ」「バリキャリ」「ゆるキャリ」の人数割合は次の通り。
- フルキャリ 50.4%
- バリキャリ 13.5%
- ゆるキャリ 36.3%
ワーママの半分は「フルキャリ」なんです!
フルキャリが仕事に求めていること
この本を読んでびっくりしたのは、わたしがまさに求めていたことが言語化されていたことです!
フルキャリがフルキャリのまま、仕事にも、家庭や子育てにも挑戦し続ける上で必要なのは、「子育てしながら働くことができること」ではなく、「子育てしながらでも、やりがいのある仕事に従事できること」になるのではないでしょうか。そしてそのやりがいと密接な関係にあるのは、「成長と貢献の実感」でした。
「そうそう、そうなのよ!」と激しく同意。
フルキャリは、子供を預けてまで働くからには、
- 誰かに満足してもらいたい
- 役に立ちたい
- 社会に貢献したい
という思いを持っています。
フルキャリが求めているのは、
子育て中だから、ムリのない程度に仕事をやってもらおう
このようなよけいな配慮ではないんですよね。
フルキャリは、「子育て中ではあっても仕事は仕事」と考えています。
産前のように、責任を持ってがんばりたいんです。
フルキャリと上司の共有コミュニケーションが大切
フルキャリは自分の家庭環境を職場に知っておいてほしいと思っています。
しかし、上司はフルキャリ部下をマネジメントするにあたって「わからない」ことが多いんです。
お互いの考えの「共有」が大切です。
例えば上司からこんなふうに聞かれたらうれしくないですか?
君の家庭状況がわからないから教えてくれない?
こういうふうにがんばってほしいんだけど、そうさせるのが本当によいことなのか悩んでるんだ。
「期待されている」
「自分の環境に配慮してくれている」
って感じる!
お互いの考えを共有したうえで、できること・できないことを上司といっしょに考えていくプロセスが大切です。
- 週に1日は、実家に子どもを預けて残業することができる
- 1ヶ月前に伝えてくれれば、夫とスケジュール調整し、出張が可能
- 朝なら始業よりも早く出社して仕事を片付けることができる
こういった工夫をしながら、今まで通りの仕事をしたいと考えているフルキャリは多いのでは。
時短勤務だから、残業ができないからといって、仕事への意欲が落ちたわけではないんです。
できるかぎりがんばりたいんですよね。
フルキャリが「やりがい」を実感できる環境づくり
筆者は、ワーママがやりがいを感じる環境を作ることが大切だと主張しています。
そのために、上司ができることは、
- 日頃の仕事ぶりに対するこまめなフィードバック
- 中長期的なキャリア形成についてのコミュニケーション
- 思い切って仕事を任せてみる
ということです。
フルキャリはもともと仕事への意識が高い人たち。
やりがいを実感できれば、仕事の成果・パフォーマンスを最大化することができるんです。
『フルキャリマネジメント』から学んだこと
筆者自身は職場復帰したフルキャリたちにこう伝えるそうです。
大変だと思うけれど、今の仕事を続けていきたいと思うのであれば、キャリアはキャリアで先送りにしないで意識したほうがいいかもしれない。将来のあなたの助けになる
自分のキャリアを考えるために、自分から上司に対して思いを伝えなければならないと思いました。
- 仕事の意欲は落ちていないこと
- どうしてもできないこと(時間制約など)
- 準備期間があれば対応可能なこと(残業や出張など)
こういったことを上司に伝えておけば、上司も仕事を任せやすいですよね。
ワーママは本当は「責任のある仕事がしたい、やりがいを感じたい」と思っている人が多いです。
しかし、
- 時短勤務
- 残業ができない
- いつ子どもの発熱で休むことになるかわからない
という状態で、「責任のある仕事をさせてほしい」と発言することがおこがましいと考えがち。
また、上司(特に男性上司)はワーママの扱いに戸惑っている、わからない、と感じています。
お互いに「今は子育て中だからしかたがない」と線を引いているんですね。
しかしお互いにもう一歩踏み込むことができれば、この先に得られるものは大きいのではないでしょうか。
コメント
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[…] なおみスタイル「『フルキャリマネジメント』を読んで」という記事と「マミートラックが辛いあなたへ」という記事でワーママの気持ちをきれいに言語化されています。 […]